足立学園中学校

目指す教育
"志"が学ぶ力を引き出す教育とは

四谷進学会 溝田:
「自ら学び 心ゆたかに たくましく」という教育目標が掲げられています。この言葉には、どのような思いが込められているのでしょうか。
相澤先生:
本校は「地域の子どもたちに学ぶ機会をつくり、世のため、人のために活躍できる人を育ててほしい。」と願う、地域の方々の志によって創立された学校です。校訓「質実剛健 有為敢闘」は、建学の精神であり、誠実で強くたくましく、優秀で人の役に立ち、最後までやりとげる人材(人財)を育成することで、まもなく創立100年を迎える今も変わりません。教育目標としてわかりやすく「自ら学び 心ゆたかに たくましく」を掲げています。その思いを、現在は「志共育」という形で実践しています。
四谷進学会 溝田:
「志共育」という言葉がとても印象的でした。
相澤先生:
志というと、「将来の夢」のように思われるかもしれません。でも私たちは、もっと深いものだと考えています。「誰かの役に立ちたい。」「世の中の役に立ちたい。」という心の奥底にある気高い思いこそが、志です。特に男の子は、「勉強しなさい」と言われても、なかなか心が動きません。「何のために学ぶのか」が見えないと、本気になれない子が多いんです。逆に、その子の心に火がつくような目的が見つかれば、驚くほど主体的に動き始めます。そのために、本校ではたくさんの「心に火をつける作戦」を実践しています。
四谷進学会 溝田:
「心に火をつける作戦」ですか?とても素敵な作戦名ですね。具体的には、どのような教育をされているのでしょうか。
相澤先生:
本校では、志は教え込むものではなく、共に育んでいくものだと考えています。誰の心の中にも志の種はあります。ただ、多くの子どもは、その存在にまだ気づいていません。だから最初は、「自分を知ること」から始めます。自分は何が好きなのか。何に夢中になれるのか。どんな時に心が動くのか。そこに気づいて初めて、その子だけの志が育ち始めます。
もちろん、一朝一夕には育ちません。本校では「守・破・離」の考え方を取り入れ、最初は教員が寄り添いながら支え、少しずつ自分で考え、自分で選び、自分で切り拓いていけるよう導いています。授業だけではありません。学校行事も、日常生活も、部活動も、探究活動も、すべてが志を育むきっかけになるよう設計しています。
四谷進学会 溝田:
志は、6年間でどのように育っていくのでしょうか。印象的な生徒さんのお話があれば教えてください。
相澤先生:
ある生徒は、中学生の時に自動運転の動画を見て、「これ、かっこいい!」と思ったことが始まりでした。最初は、本当にその一言です。でも、自分でラジコンカーを作り、失敗し、何度も挑戦するうちに、探究がどんどん深まっていきました。やがて、「交通事故のない社会をつくりたい。」という志へ変わっていったんです。大学の研究室へ自ら足を運び、企業にも学びに行き、英語のプレゼンコンテストでは、その探究の様子を発表し、全国最優秀賞を受賞。現在はアメリカのイリノイ大学で、自動運転の研究を続けています。最初は「かっこいい」という憧れだったものが、「社会の役に立ちたい」という志へと育っていった一例ですね。
四谷進学会 溝田:
夢が変わるのではなく、根っこにある思いが育っていくのですね。
相澤先生:
そうなんです。志は途中で形が変わっても構いません。医師を目指していた子が、自衛隊へ進むこともあります。でも、その根底にある「人を助けたい」という思いは変わりません。
その軸がある子は、進路に迷いにくくなります。本校では大学も偏差値だけで選ぶのではなく、「自分の志を実現できる場所か」という視点で考えます。だから、「何となく受験する」という生徒は少ないと思います。志を遂げるための進路選択をし、そのために努力する。その結果として、高い進学実績にもつながっています。

四谷進学会 溝田:
最後に、中学受験を控える保護者の方へメッセージをお願いします。
相澤先生:
すぐに花が咲く子ばかりではありません。今はまだ芽が出ていなくても、やがて大きく成長する子もたくさんいます。だからこそ、焦らず、粘り強く、子どもを信じてほしいと思っています。特に男の子に対しては、お母さんには、「この子なら大丈夫」とどっしり構えて見守っていただきたいです。学校と家庭が同じ方向を向いて、一緒に子どもを育てていけたら、それが一番幸せだと思っています。そして、本校からお伝えしたいのは一つです。
「一緒に、(ご子息の)志を育みましょう。」

