最適な志望校選びなら中学受験マッチング

最適な志望校選びなら中学受験マッチング

資料請求0

無料 カート
四谷進学会公式サイトへ

共立女子中学校

代表インタビュー

四谷進学会:今回は、共立女子中学高等学校にて校長を務めていらっしゃる久永先生にお話しを伺ってまいります。まず、共立の教育理念についてお伺いできますか?

 

 

校長先生:校訓である「誠実・勤勉・友愛」は、共立女子職業学校の創設時からの教育理念です。本校における6年間の生活や学習を通して、生徒一人ひとりがこの校訓を実践し、徳性を身につけられることを目指しています。

 

四谷進学会:校訓の「誠実・勤勉・友愛」について、詳しく教えていただけますか?

 

校長先生:もちろん3つの要素のどれも大切にしていますが、初めは特に「友愛」を身につけられるように指導しています。どうしても中学生は、同じような価値観を持った生徒同士でグループを作って行動する傾向があります。特に入学して間もない頃は、友達との関係がなかなかうまくいかない生徒もいます。そこで、まずは一人ひとりに個性があり、「良い、悪い」で判断するのではなく、相手を理解して仲よくするように指導するようにしています。

 

四谷進学会:「友愛」を育てるために、具体的にどのような取り組みをしていますか?

 

校長先生:たとえば、例年、入学してすぐにチームビルディングを行ないます。チームビルディングというのは、ペア活動やグループ活動を通して入学時の緊張や不安を取り払い、仲間との一体感や達成感を味わうための活動です。仲間と協力しながらさまざまなゲームを行うことで、生徒同士の距離が縮まっていくのが目に見えて感じられます。

 

また、入学初期の頃は、席替えを頻繁に行うようにしています。以前は慣れるまでは一定の席で固定していたのですが、どうしても近くの生徒とばかり話すことになるので、3日おきくらいにどんどん席替えをしています。まずは自然と生徒同士でコミュニケーションがとれるように配慮しています。

 

四谷進学会:では、他の学校にはないような、共立ならではの特色はありますか?

 

校長先生:本校の特徴の一つとして、礼法・マナー教育があります。中学では2週間に1度、礼法の先生から小笠原流礼法の基本的な礼儀作法を受ける授業があります。

 

多くの卒業生が、本校の礼法の授業が役に立っていると口を揃えます。推薦入試や会社の面接などの場面でも、礼儀ができているので自信を持って臨めるようです。また、保護者の方々からも好評で、例えばご不幸があった時の葬儀の場面でも、我が子がしっかりした礼儀作法ができていて驚いたという声を聞きます。いざというときに役立つ力を確実に身につけられているのですね。

 

また、本校は非常に生徒数が多く、活気に溢れていて、「出会い」が多い学校です。生徒が多い分だけ教員もたくさんいますので、いろいろな先生と出会うことができます。

生徒数が多いと、教員との距離が遠いのではないかと思われがちですが、実はアットホームな雰囲気です。コロナ禍ではなく、平常時は生徒も職員室に入ることができて、気軽に先生と話ができます。

 

先ほど友達づくりの話をしましたが、1クラス約40人の生徒がいるので、きっと気の合う仲間が見つかるはずです。もしクラス内でそのような生徒が見つからなくても、部活動や委員会など、友達ができる機会はたくさんあります。また、高校2年生になるまでは毎年クラス替えがあるので、そういった意味でも生徒同士の交流の幅が広くなります。保護者の方々の中には友達ができるかどうか心配される方もいらっしゃいますが、ご安心いただいて問題ないと思います。

 

さらに、生徒が多い分、部活動も活発に行なっています。どこの学校にでもある部活動は当然ありますし、珍しい部活動としては、「太極拳部」や「能楽部」があります。

 

また、行事の多さも特色の一つです。例年、運動会や文化祭はもちろん、芸術鑑賞会や映画会、生徒会が主催するスポーツ大会もあります。中学各学年と高校2年で、学年宿泊旅行も行なっています。バラエティーに富んだ行事を通して、さまざまな学びを得ることができます。

 

四谷進学会:なるほど。やはり生徒数が多いと、卒業後の人脈にも繋がっていますか?

 

校長先生:そうですね。生徒は卒業後、様々な大学に進んでいますが、卒業後も生徒同士で付き合いが続いているようです。また、時々卒業生が学校に顔を出しに来てくれて、近況報告をしてくれています。

 

四谷進学会:なるほど。逆に、生徒数が多いことによるデメリットを感じられたことはありますか?

 

校長先生:今回の新型コロナウイルス感染症対策では、大変な面もありましたね。4、5月は休校にしていたのですが、6月から8月上旬までは分散登校という形で、クラスを半分に分けて半分ずつ登校してもらう形にしました。8月最初の試験についても、密集を避けるという意味で通常の半分の人数で行うことにしました。

 

ただ、それではなかなか学校活動が進みませんので、夏休み明けからは感染対策に十分注意しながら一斉登校を始めました。やはり生徒数が多い分、緊急事態の対応をより慎重に行う必要があります。

 

保護者の方からは、生徒数が多いので目が届きにくいのではないかという質問を受けることがあるのですが、先程も述べたように、教員数は専任が約100名、非常勤が約70名と大変多く、むしろ教員1人あたりの生徒数を調べると、実は都内でも本校は少ない方なのです。そのため、先生方の目は行き届いていると思っています。

 

ですから、生徒数が多いことによるデメリットは、強いて言えば、小回りが利きにくいという部分でしょうか。例えば、修学旅行でも団体で行動するとなると、半分でも4クラスあるので、大人数が入れない場所には行きづらいということですかね。

 

四谷進学会:ありがとうございます。あとは、やはり保護者の方々が気にされることの一つにいじめ問題があると思います。いじめ問題について、何か対策はとられていますか?

 

校長先生:女子校ということもあって、どうしてもグループ化しやすい傾向があります。その中で、ちょっとしたきっかけで仲間との関係がうまくいかなくなり、それがいじめに繋がる場合も時々あります。

 

いじめにもいろいろなケースがありますので、すぐに教員が介入すべきかどうかはよく見極めて、本人とも相談しながら対処していきます。時には保護者の方とも相談しながら、学校として手伝えることは何かということを考えて対処していきます。

 

幸い、今まで深刻な事件になるようなことはなく、比較的短期間で解決に向かうケースが多いです。先ほどもお話ししたように、生徒数が多いので、もし1つのグループと気が合わない場合でも、別のグループやクラス外の活動の中で必ず気の合う子はいるので、安心していただきたいと思います。

 

 

 

四谷進学会:校長先生が思い描いていらっしゃる共立のビジョンを教えていただけますか?

 

校長先生:私は今年の4月から本校の校長を務めさせていただいているのですが、教員として常に願っていることがあります。それは、生徒が6年間の中で大きく成長し、自分の希望する進路に進んで、将来的に社会で活躍できる女性になってほしいということです。学校としても、その思いを持って指導していきたいと思っております。

 

生徒には、毎日元気に明るく楽しく過ごして、学校生活を有意義に過ごしてほしいと思っています。ただ、中にはさまざまな理由で学校に来ることが辛く感じる生徒もいます。そういった生徒へのフォローもしっかり行なっていきたいと考えています。

 

四谷進学会:「社会で活躍できる女性に」というお話がありましたが、具体的なビジョンはありますか?

 

校長先生:「社会で活躍できる」というのは、仕事をバリバリすることだけを指しているのではありません。それぞれの個性に合わせて生徒自身が進みたい進路に進んでほしいと考えています。

 

今はグローバル社会ですので、英語力をしっかり身につけて、英語を使う職業を目指すのも1つです。また、「女子は理系が苦手だ」という意識を持ちがちですが、決してそんなことはないので、理系に興味がある生徒はそういう方面を目指すのも1つです。

 

とにかく在学中に、何か自分の興味があるもの、将来何になりたいかということを真剣に考えて、それに向かって努力してほしいですね。

 

四谷進学会:キャリア教育については何か具体的な取り組みはされていますか?

 

校長先生:中学3年生から、企業と連携してインターンシップを行なっています。そのインターンシップでは企業からも課題が出されます。その課題に対して自分たちなりに向き合い、プレゼンテーション形式で発表してもらいます。校内で発表会を行うのですが、その際には企業の方も来てくださってアドバイスをいただけます。その中の優秀なグループは全国大会にも出場しています。

 

また、卒業生に来校してもらい、受験についてお話ししてもらう機会を設けています。さらに、就職している社会人の方をお招きする講演会もあり、先輩方の体験から将来を考えてもらえるようにしています。

 

あとは、適性検査ですね。自分がどういう仕事に向いてるかを知ることは、進路を考える上での1つのヒントになります。中学3年生頃から進路についての取り組みをスタートし、毎年徐々に深めていっています。

 

四谷進学会:あとは、リベラルアーツに関して、こちらをもう少し具体的に教えていただけますか?

 

校長先生:リベラルアーツとは、日本語に直すと「教養教育」という意味に近いです。「魅力ある人間になるために教養を身につけましょう」ということなのですが、ただ「教養を身につけましょう」と言ってもなかなかできるものではありません。そこで、本校では「本物に触れられる」機会を大切にしています。

 

例えば、校舎内の廊下や階段の踊り場に芸術作品を数多く設置しています。これらは、長年卒業生の保護者の方々に寄贈していただいたものが中心で、素晴らしい作品がばかりです。このようにして、生徒たちが日常的に芸術作品を目に触れる環境を作っています。

 

普段の授業においても、いわゆる入試に関係する座学の授業のみならず、芸術系や実技系の授業も丁寧に指導しています。そのため、普段の授業を通して感性を磨くことができると考えています。

 

また、毎年芸術鑑賞会を行なっており、バレエや音楽、演劇などの一流の表現を鑑賞できる機会を作っています。「本物」に触れる中で、さまざまな分野に興味を持ってもらい、1つの教養として身につけてほしいと思っています。

 

四谷進学会:受験はもちろん大切ですが、その先の将来を見据えて教育されていらっしゃるのですね。

 

校長先生:そうですね。受験科目の時間数はもちろん公立の学校さんに比べれば多いのですが、実は、私立の学校さんと比べるとそれほど多くはないです。その分、芸術系や実技系の時間をしっかり確保して丁寧に指導しています。

 

四谷進学会:やはり、受験生にとっては入学後にどんな能力が得られるかということが大事なポイントになると思います。共立で6年間過ごすことによって、何が得られると思われますか?

 

校長先生:まずは、コミュニケーション能力だと思います。生徒数が多いので、その分出会いがあります。さまざまな生徒・教員との出会いを通してコミュニケーションの幅を広げられると思います。

 

入学後、生徒たちは、多くの出会いを通してさまざま個性や価値観と直面します。もちろん、リーダー的な生徒だけではなく、チームを支えて協力する生徒もいます。本校では、生徒たちが主体となって行事を運営していきますので、そうしたさまざまな活動を通して、自分の個性を表現し、相手を認め合うことでコミュニケーション能力が育っていきます。そうして得られたコミュニケーション能力は、社会に出てからも必ず役に立つはずです。

 

四谷進学会:共立祭では、生徒が主体となって行なっているのですよね。

 

校長先生:はい。中学生の場合は、教員が手助けに入ることもありますが、基本的には生徒たちの意見を大事にしながら進めています。高校生になると、生徒たちがリーダーシップをとって進められるようになっていますので、教員はそれを見守る形です。

 

本校は中高一貫校ですので、共立祭は中高一緒に行ないます。そのため、高校生がリードしながら、中学生も徐々にやり方を学んでできるようになっていきますね。

 

ただ、部活動は中高別になっている部が多いです。それは、中学生と高校生が一緒に行うと、どうしても高校生がリーダーシップをとって中学生はそれについていくだけということになりがちです。中学生の中でも、3年生がリーダーシップをとって能動性や主体性を身につけていくことが大事だと考えています。そうした理由から、中高別々で行なっている部活動が多いですね。高校から違う部に入る生徒も多いのですよ。

 

四谷進学会:次に、やはりこういった女子校で、非常に大人数の学校は数少ないと思うのですが、毎年たくさんの受験生が集まる理由はなんだと思われますか?

 

校長先生:おかげさまで、毎年多くの受験生が集まってくれています。昨年2月の入試では、過去10年で最多となりました。

 

広報については、広報部の先生方と学校PR委員会が中心に行なっています。学校PR委員会は最近立ち上げた、生徒の委員会です。希望者に集まってもらうのですが、生徒たちが一生懸命本校のよさをアピールしてくれています。

 

本校には、「共立が大好き」という生徒が大変多いです。学校説明会や説明会後に、本校の生徒が受験生や保護者の方を校舎案内してくれるのですが、それが大変好評です。以前は教員が案内をしていたのですが、やはり教員より生徒の方が好評なようです。生徒もやりがいを持って取り組んでくれています。

 

あとは、口コミの影響も大きいと思います。実際、本校に入学してきた子に尋ねてみると、近所に本校の生徒がいて「すごくよかった」と聞いていたようです。また、親子揃って共立生の方も多いですね。中には、3代揃って共立生というご家庭もありますね。

 

要するに、実際に通っている生徒、あるいは卒業生が、「通っていてよかった」、「通っていて楽しい」ということを周囲にアピールしてくださっているのですね。

 

四谷進学会:オンライン英会話などは、非常に早く導入されたということなのですが、共立には、時代を先取りしてどんどん新しいことに挑戦していく文化があるのでしょうか?

 

校長先生:先任の校長が新しいことをどんどん取り入れる空気を作っていたので、それによってスタートしたことが多くあります。また、校長だけでなく、一般の先生方からも「こういうことを取り入れたい」という意見は多く出てきますので、その声も参考にしながら新しいことに挑戦しています。

 

四谷進学会:それは、職員会議で決定されていくのですか?

 

校長先生:最終的には校長判断になりますが、実際どういうものなのかということを先生方を含めて共有して、取り入れるべきかどうか合意を取りながら進めています。

 

四谷進学会:先生に関して、採用基準はありますか?

 

校長先生:子どもが好きな人、情熱がある人ですね。もちろん教科を指導する力は必要ですが、それに加えて生徒に対する愛情や、人とうまく付き合っていけるかどうかということをよく見て判断しています。スキルはもちろん、人間性を重視しています。

 

四谷進学会:ありがとうございました。

 

 

似ている中学校をもっと見る