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共立女子中学校

教師インタビュー

英語学習の入り口は「発信型」

四谷:今回は、共立女子中学校高等学校にて英語を担当されている草野先生にお話しを伺います。

まず、中学校の英語の授業ではどのような教材を使用していますか?

 

草野先生:メインの教材としましては、『NEW TREASURE』を使用しています。学年によっては、リスニング教材やライティング教材なども使用しております。また、『NEW TREASURE』の文法を導入する際に、補助的にこちらで作成したプリントを配布して使用しています。

 

四谷:なるほど。そのプリントは、草野先生が独自に作成されているのですか?

 

草野先生:近年は、学年で統一して同じものを1学年全ての生徒に対して配布しています。レベルに応じて多少変えているところもあります。

 

四谷:英語のカリキュラムについて教えていただけますか?

 

草野先生:中学3年間、高校3年間で、6年間を2年ずつ、3つに分割して考えています。1学年でも年度によって多少変わってくるところはありますが、基本的には英語科として同じカリキュラムを展開しています。

 

四谷:生徒の発達段階に応じた指導目標を立てているとのことでしたが、どのように目標を立てていらっしゃるのでしょうか?

 

草野先生:先ほど、6年間を2年ずつ、3つに分割しているとお話ししましたが、1番最初の中学1年生、2年生では英語学習の入り口ということで、外国語を学ぶ楽しさを知ってもらうことを重視しています。つまり、発信型の英語教育を心がけています。

 

また、中学3年生から高校1年生にかけて、文法などはおおよそ網羅できるようなカリキュラムを組んでいますので、大学入試に向けてスムーズに対策を取れるようにしています。

 

高校2年生、3年生では、習得し終えた文法を使って、繰り返して重ね塗りしながら固めていく部分と、大学入試に向けた演習の部分の両方で力を付けられるようにしています。

 

四谷:「発信型の英語教育」というのは、どのようなものですか?

 

草野先生:ただ単に知識として習得するだけではなく、自分から話したり書いたりすること、つまり英語を使って表現できるように指導しています。

 

例えば、普段の授業の中でも「ワンミニットチャット」を取り入れています。これは、1分間の間、英語を使って会話をするものです。また。「スリーヒントクイズ」といって、答えを設定した上で、その答えを相手に導いてもらうために、3つのヒントを英文で考えて発表したりするゲームを取り入れています。

 

また、中学1年次から「オンライン英会話」を導入しています。これは、主に長期休暇中の宿題として各自で取り組んでもらうものです。また、校内には「ランゲージスクエア」という場所があります。放課後にはネイティブの講師が待機しているので、英語を使って会話したり、英語の課題に取り組んだりすることができます。

 

このような取り組みを通じて、生徒が自分自身で英語を使って発信していけるように指導しています。

 

四谷:中学1年生から、外国人講師による少人数制英会話があるとお聞きしましたが、何人くらいで行っているのですか?

 

草野先生:20人程度で行っています。英語学習をスタートし始める中学1年生の段階で少人数でのきめ細やかな指導を受けることで、より高い学習効果が期待できると考えています。

 

四谷:英語を使ったスピーチやグループ発表など、表現活動についても具体的に教えていただけますか?

 

草野先生:英会話の授業では、中学1年生から人前で会話の発表やプレゼンテーションができるように指導しています。中学3年生になると、「レシテーションコンテスト」があります。これは、英文の暗唱コンテストです。日頃の英語学習の成果を発表する行事として行っています。

 

また、中学1年生から3年生を対象に「イングリッシュシャワー」を実施しています。3日間ほどネイティブの講師を招いて少人数で授業を展開した後、最後には全員プレゼンテーションを行い、英語で意見を伝える楽しさを実感できるようにしています。

 

高校生になると「エンパワーメントプログラム」という、さらにレベルが高いプログラムがあります。本校にイギリスの大学生を招き、一緒にさまざまなプロジェクトに取り組み、最終的にはプレゼンテーションを行うプログラムです。

 

四谷:海外研修についても、詳しく教えてください。

 

草野先生:はい。高校1年生を対象に「ロングターム留学」プログラムを行っています。これは、約10ヶ月間、カナダでホームステイをしながら英語研修をするプログラムです。

 

また、短期間の「ショートターム留学プログラム」もあります。こちらは、約9週間ほどニュージーランドに留学するプログラムです。こちらも同様に、ホームステイをしながら英語力を向上させていくプログラムです。

 

さらに、夏期休暇、春期休暇には中学1年生からも参加できるような2週間程度の海外研修プログラムもいくつか用意しています。

 

このように、充実したプログラムが数多くありますので、多くの生徒が海外での語学研修に参加できる環境となっています。

 

四谷:これだけ多くのプログラムが用意されていれば、英語に興味を持つ生徒がどんどん増えそうですね。

 

草野先生:そうですね。もともと英語に興味があって本校に入学する生徒も多いですし、やはり本校に入学してからさまざまなプログラムを経験することで、英語に興味を持つ生徒もたくさんいます。

 

四谷:英検などの英語関係の資格を受験する生徒も多いのでしょうか?

 

草野先生:はい。英検は準会場として校内で受験することもできるので、多くの生徒が申し込んでくれています。また、留学であったり、自分の進路に必要な各種検定を受ける生徒も多いです。

 

四谷:ありがとうございました。

 

 

ICTの活用で実験の理解をより深く

四谷:今回は、共立女子中学高等学校にて理科を担当されていらっしゃる桑子先生にお話しを伺ってまいります。まず、教材についてお伺いできますか?

 

桑子先生:教員が教えながら改善点を見つけて毎年改定していきます。合わないと感じたら、その時の担当教員が書き換えて次年度以降に引き継いでいます。実験なども方法を合わせるようにしていますね。

 

四谷:それを他のクラスでも共有されているのですね。

 

桑子先生:そうですね。共有することで差が出ないようにしています。また、Google Classroomを使い、YouTubeなどの動画教材やシミュレーション教材を作成して配信しています。

 

四谷:差が出ないように工夫されているのですね。それは、カリキュラムを立てる上でも同じことが言えますか?

 

桑子先生:はい。複数の教員で同じ教科を担当する場合は、やはり教員ごとに思い入れのある部分が違うため、強弱がついてしまいがちです。それによって漏れが生じてしまうと困るので、ベースとなる部分は統一するようにしています。

 

例えば、教材や実験方法は全部のクラスで揃えてどの教員が担当しても差が出ないようにしています。ベースを揃えた上で、教員独自の色を出していくようにしています。

 

ただ、高校では教員2名で担当することが多いので、教員同士で話し合いながら、その時の生徒に合わせたやり方で進める場合が多いです。前年と同じものをたどるというよりは、目の前の生徒たちに合わせた方法をとっています。

 

中学校の方はある程度決まった形があるので、新しい提案があれば取り入れながら、次の年に引き継いでいます。

 

四谷:桑子先生は、ICTの活用にも積極的に取り組んでいらっしゃるとお聞きしました。具体的にどのような取り組みをされているのでしょうか?

 

桑子先生:例えば、実験後に説明動画を見てもらうことでより理解を深められるようにしています。また、自宅学習にも役立てられるように、プリントを配布するだけではなくオリジナルの動画を配信しています。その際は、教員が1人で説明するような動画ではなく、実験でよく疑問を持たれる部分に着目した動画にしています。このような教材を数多く用意しています。

 

また、外部でICTの使い方の講演などもお願いされることがあるので行っています。iPadを使いながらどのように実験を行うかを説明しています。例えば、iPadはいろいろな音を出せるので、音を使った周波数の測定実験を行ったりしています。

 

四谷:桑子先生が行っていらっしゃる、「外部での実験教室」について詳しくお聞かせいただけますか?

 

桑子先生:広報的な活動としては、サピックスさんをはじめとした教室に塾生を集めてもらい、夏休みや春休みに実験教室を行っています。プログラミング教室やスライムを作って電流を流す実験など、さまざまな実験をいろいろな教室で行っています。

 

また、幼稚園生や小学生を対象に実験教室をやることもあります。その他には理科教材会社で定期的に実験教室を行っていて、「こういう実験をやると生徒が興味を持ってくれます」というようなことを教員の皆さんに説明しています。

 

四谷:「教員有志の特別教養講座」とは、どのようなものなのでしょうか?

 

桑子先生:物事を複合的に捉えるためには、分野を横断した教養が必要です。例えば、江戸時代の「明暦の大火」という大火災を例に挙げて、この大火災が起こった理由を考えると、建物の構造の問題や天候の問題、そして文化の問題などさまざまなことが関わっていることが分かります。そこで、さまざまな教科の先生が集まって1つの物事を探究しようとする企画が「教員有志の特別教養講座」です。この企画は毎年定期的に行っていて、テーマは多岐に渡ります。

 

四谷:ありがとうございました。

 

 

協働学習で能動的な学びを

四谷:今回は、対談形式で理科の桑子先生と、英語の草野先生にお話を伺っていきます。

まず、いわゆる一般的な公立の中学校とは異なる、共立ならではの授業はありますか?

 

桑子先生:私は共立伝統の「道徳・礼法」の授業が特徴的だと思います。草野先生はいかがですか。

 

草野先生:やはり、ネイティブの先生が単独で英語の授業を持ってくださるところでしょうか。これは、公立の中学校ではなかなかないと思います。

 

桑子先生:あとは、美術の授業では1人1台のイーゼルで絵を描いている光景を見て驚きました。設備が整っているのですね。また、油絵も描いていて本格的だなと感じました。

 

草野先生:そうですね。音楽の授業でもかなり本格的な内容を学べるので、このあたりは本校ならではの強みだと思います。

 

四谷:理科に関してはいかがですか?

 

桑子先生:理科は、実験室が4部屋もあるのが特徴です。「物理、化学、生物、IC理科室」と分かれていて、非常に恵まれています。部屋数が多いため、他のクラスとバッティングすることがなく、実験をたくさん行うことができます。おそらく、実験室がこれだけある学校は多くないと思います。

 

四谷:ホームページに理科の授業が紹介されていましたが、生徒も教員の方も楽しそうな雰囲気で授業を行っていたのが印象的でした。楽しい学びを実現するために心がけていることはありますか?

 

桑子先生:心がけていることは教員によってそれぞれ異なると思いますが、私は、理科は教員ではなく自然物や自然現象が主役だと考えています。その「主役」を普通に見せるだけでおもしろいものです。例えば、虫眼鏡を壁に近づけると実像が映ります。こうしたことは身近にある現象ですが、やはり実際に見せると生徒たちはおもしろがってくれますね。そういう驚きをどんどん体験させてあげたくて、いろいろものを見せるようにしています。

 

四谷:草野先生はいかがですか?

 

草野先生:英語の場合は、やはり生徒に主体性を持たせることで生徒自身に考えさせたり、英語を使ってもらうことが楽しんでもらうポイントかなと思います。

 

アンケートを取ると、「英語を話せるようになりたい」という生徒が非常に多いです。なので、「こうすれば英語を使えるようになる」というヒントや材料を提供して、実際に話してもらったり、生徒同士でコミュニケーションを取る時間を作っています。そうすると、生徒たちがとても楽しんでくれていると感じますね。

 

四谷:共立の授業の様子を拝見して、非常に一体感があると感じました。その理由はなんだと思いますか?

 

草野先生:授業の中で生徒同士で役割分担をする機会があるのですが、その時にお互いの役割を尊重しあえる雰囲気ができていますね。それが一体感に繋がっているのではないでしょうか。

 

四谷:授業の中で、グループで取り組む協働学習を行っているとお聞きしました。どういう内容なのでしょうか?

 

草野先生:日本人教員の英語の授業では、みんなで一緒に考えて発表する時間をとるようにしています。また、英会話の授業では、生徒同士で一緒に調べる作業を取り入れたり、ナレーターと演者に分かれて演じるようなグループワークを行っています。

 

桑子先生:理科の授業で特徴的な協働学習は、「交通安全の力学」という授業です。この授業では、まずエネルギーについての実験を行った後、「交通安全のためにはどういう法整備をするべきか」「どのような物理的な仕組みを作ればよいか」といったことを班に分かれて意見を出し合ってもらい、発表してもらっています。この授業は、理科の知識を応用して、他の問題についても理論的に考える練習になっています。

 

四谷:生徒自身が能動的に学ぶ姿勢を大切にしているのですね。

 

桑子先生:おそらく、どの教科でも何かしらの仕組みで取り入れていると思います。本校の母体である職業女子訓練学校は実学や教養を意識している学校でした。それからずっと引き継がれてきているので、大学受験とは直接関係ないようなことについてもしっかりと指導しています。例えば、公民の授業では、選挙を生徒同士で行ってみたり、株価のシミュレーションに取り組んだりしているようです。

 

四谷:教科間を横断した学習は行っていますか?

 

桑子先生:先ほどお話しした教員有志の特別教養講座の他には、「国語表現」の授業では、パソコンでスライドを作って発表しているので、情報の授業と横断して行っていることになると思います。

 

四谷:他の教科の先生方との関係性はどうですか?

 

桑子先生:学年の繋がりは強いと思います。「生徒のためにこういうことをやりたいから、この行事は残そう」とか「この行事はこうやって組もう」とか、そういうことはよく話していますね。

 

四谷:ありがとうございました。

 

 

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