開智日本橋学園中学校

目指す教育
- 現代の子供たちに合った教育を
- ティーチャーではなくファシリテーター
- 先生もチャレンジ精神をもって”主体性”を実現化
- 国際バカロレアについて
- 開智日本橋学園が育てたいリーダー像
- 校長の原点
- 「主体性」への理解を
- 熱心な教師採用
- 開智日本橋学園の5年後
現代の子供たちに合った教育を
四谷進学会:開智日本橋学園校長、一円先生にお話しを伺っていきます。よろしくお願いします。
校長先生:よろしくお願いします。
四谷進学会:先生は何年前から開智日本橋学園にいらっしゃるのですか?
校長先生:私は、12年前に岩槻の開智に教員として最初入りました。開智日本橋に来たのは2015年で、学校名が変わるタイミングです。その時から、初代校長を務めています。
四谷進学会:初代でいらっしゃるのですね。かなり色々改革をなさったと思うのですが、いかがでしょうか?
校長先生:改革って言うと、格好良いですけど、ゼロから作るので。伝統を持ってらっしゃる学校さんは、とても立派なことですが、ある意味、変わるって物凄く難しいことです。それに比べて、本校はゼロからスタート。勿論、日本橋学園という100年以上の伝統を持ってる学校ではありますが、2015年に入学する子から完全に共学に変えて、そこから新しい教育をスタートさせました。だから、やりやすかったです。改革と言うより、試行錯誤で色んなことをやりながら、ゼロから作り上げるので、変えるよりは意外とスムーズにいったと思います。
四谷進学会:今、女子校が難しいという時代になってきていますけれども、やはりそういうことで共学校になられたのですか?
校長先生:そうですね。うちの理事長の判断なので、私が共学にした訳ではないですが、そこはやはり多少あると思います。私個人としても、共学の方が教育はしやすい気はしています。女子校ダメ、男子校ダメと言うつもりはないですが、世の中は男女がいて成り立っているので、その環境が中学、高校でもあるというのが自然なような気がしています。
四谷進学会:具体的にどういうことを作っていったのでしょうか?
校長先生:やはりゼロからスタートする以上は、今の時代の子供達に合った教育とは何かを考えて、スタートすることが当然だと思います。我々が何をやりたいかではなく、今の子供達に必要なことが何か。それについてゼロベースから考えられました。私が最初に思いついたのは、この学校で一番大事にしている主体性でした。この学校は、色んな理念があるのですが、一言で特徴を表すなら「主体性」になります。「自ら考え判断し主体的に行動する」は本校の合言葉です。
今の時代の子供達に、絶対に意識して欲しいのはロボット・人工知能なのです。世の中にロボット・人工知能がたくさん登場し、車も自動運転する時代です。今まで人間がやっていた部分をロボットやるようになるのだと思います。そこで意識しないといけないのは、多分今から20年後です。20年後と言うと、例えば、15歳の中学校3年生が35歳で世の中の中心になって、活躍する時代です。この20年後にどうなっているかと言うと、今の比じゃないぐらいロボットだらけです。そういう中で、活躍する人材育てなきゃダメ、これが一番です。だけど、日本の教育は、先生がいちいちあれやれ、これやれ、そんなことやっちゃ駄目と命令します。それは命令されたことをちゃんと守る人間を育てている。これはもうロボットです。
ロボットができないこと、自分の意思で考えていくことを子供達から引き出すのが、我々の一番の大事なことだと思っています。いちいち先生に指示されなくても、自分で判断して、行動し欲しいですし、自分でやったことに責任も持ってもらいたいと思っています。これが本校の一番の柱です。
四谷進学会:大変素晴らしいです。主体性が非常に大事とは言いながらも、なかなか自分で動けないということがよくあるかと思います。それをこの学校で、どういう教育をすることによって、そういう子が育っていくのでしょうか?
校長先生:難しいです。簡単じゃないですけれど、その時々に応じて先生達が、できるだけ子供達に考えさせるようにという意識を持って、接していくことで、徐々に出てくるものだと思います。もう一つ言うと、子供達の主体性が一番発揮されてるのは、学校行事です。本校は徹底して、学校行事は君達生徒がやるもので教員が作るものではないということを伝えています。体育祭の種目も、全部生徒が自分で決めます。危険を伴うようなとんでもない種目を提案することもありますし、そういうものは止めますが、基本は全部生徒です。例えば、宿泊行事も、現地で何時から何時の時間でどういう活動をするのかは、行事の目的を伝えたうえで全部計画をさせます。自分で動かないとダメいうことを勝手に子供が学んでいるし、先輩から後輩へ代々引き継がれていっています。先輩の動きを見て、後輩達も主体的に動くということを学んでいっています。仕掛けた訳ではなく、勝手に出来上がってきました。それが一番嬉しく思います。
四谷進学会:素晴らしいことですね。所謂、第1期生の子達が、代々続いていったのかな?という気がしますが。
校長先生:確かにそうですね。1期生が切り開いてくれました。試行錯誤の第1走ですので、失敗を繰り返して、それでもこの学校作る意欲は、彼らが一番持っていました。自分で動いていくことが、最後は活きていて、大学もしっかり受かりました。ただ、だらしない部分もあったので、2期生や3期生にとって反面教師的な部分も実はあるので、そういう面でもすごく影響力がありました。
四谷進学会:おはなしを聞いていると1期生は、かなり重荷が大きいのではと思いました。それで入ってくる子たちは、やはりチャレンジ精神が強い子達だったのですか?
校長先生:全然そんなことはないです。全然そんなことは考えずに入学してきましたが、結果的にそうなりました。でも、彼らはそういうプレッシャーは感じてなかったです。在校している当初は、もう本当に好き勝手に色んなことやって、主体性と自分勝手を履き違える子がいっぱいいました。
四谷進学会:確かに。
校長先生:判断があるのかないかというところがポイントです。「自ら考え判断し主体的に行動する」の合言葉にわざわざ「自ら考え、判断し」という文言を入れました。好き勝手するのではなく、何をすべきか判断して、行動する。その辺を丁寧に指導して、大多数は理解してくれていた気がします。
ティーチャーではなくファシリテーター
四谷進学会:やはりこの7年間で、急激に注目を浴びるようになれたと思うのですが、その一番の理由はどういうものでしょうか?
校長先生:やはり国際バカロレアというのが、大きな特徴です。それを取り入れた形で、勉強も先生に教わるのではなく、自分で勉強しようという主体性です。私がよく教員に言っているのは、教えるなということです。若い教員は、びっくりします。しゃかりきになって教えようとしても、生徒がその気になっていなかったら何の意味がないということです。先生は生徒達が勉強するのを手助けしてあげるコーチの役割なのです。こういう理念で授業をやっています。だから、結構楽しんで授業を受けている雰囲気はあります。
四谷進学会:なるほど。ホームページ拝見したのですが、ティーチャーではなく、ファシリテーター。中々こういう学校はやっぱりないなという。
校長先生:そうですよね。これは、主体性と完全に繋がっているのです。ここまで徹底してやるというのは、やはりゼロからスタートしたから思い切ってできたような気がします。確かに難しいことではありますけども、何とか挑戦はしています。叱れば、5秒で済みますが、丁寧に考えさせるので、その分手が掛かります。それでも粘り強くやっています。
先生もチャレンジ精神をもって”主体性”を実現化
四谷進学会:先生方の間での協力体制も中々難しいと思いますが、そのあたりはいかがでしょうか?
校長先生:本校の教師は、とにかく若いです。若い人が多いので、多くの先生がチャレンジ精神を持っています。だから、校長がむちゃくちゃなことを言っても、張り切ってやってくれる雰囲気にはなってくれるので、助かっています。私も良い仲間に恵まれたと本当に心から思っています。彼らがいなかったら、私が今、言ったようなことは到底できるはずがなかったです。結構、みんなやってくれています。教科や学年という枠の中で情報を交換しながら、私がやろうとしている主体性をどうやって実現化していくかということを随時考えながらやってくれているみたいです。とても有り難いです。
四谷進学会:やっぱり校長先生がいらっしゃって、やりやすい状態なんだという風に感じました。トップダウンではなく、先生方の主体性も意識されているのですね。
校長先生:トップダウンは、私は絶対しません。勿論、最終決定は僕がしますが、例えば、主体的な教育とは、どうやってやるべきなのかと言うのは、私の言う通りやれ、なんてことは絶対ないです。みんなで考えて、あとは放り投げます。
四谷進学会:素晴らしいです。みんなで考えてやってくれと言いながらも、ここはしっかり見守らなければというものもあると思います。その点はどういうことを意識していらっしゃるのですか?
校長先生:全部です。勘違いしてはいけないのは、お前に任せると言って放り投げてはいけないという事です。おまかせだよと言っても、しっかりそこから目を離しません。じっと何しているか見ています。見てないと上手くやったねと褒めることも、ちょっと変な方向に行った時に止めることもできないです。これをやらないと、自分勝手と同じになってしまうのです。そこは、私は心掛けています。全てにおいて、何をしているかとことをやはりしっかり見ています。
四谷進学会:素晴らしいです。
校長先生:でも、余計な口出しは絶対しないように気を付けています。多少ミスしても、ちょっと様子見ようかって。余程でない限り、口出しはしません。逆に、良いことをやっている場合は、なるべく言うようにしるつもりです。
四谷進学会:やはり校長先生から先生方にそうすることによって、その先生も学んで、生徒に実践できているという感じがします。
校長先生:そうなってくれていることを祈りたいです。
国際バカロレアについて
四谷進学会:バカロレアについてですが、何故こういったことをやろうと思ったのですか?
校長先生:みなさんが誤解されている部分が多くあり、説明会でも、かなり丁寧に説明をしている部分です。本気で説明すると、本当に長くなってしまうので、エッセンスだけ少し申し上げます。
四谷進学会:ありがとうございます。
校長先生:まず、誤解を解きます。大体の方が、国際バカロレアという文言を聞くと、海外の大学に行ける教育、インターナショナルスクールみたいな雰囲気で英語ができるようになるのではないか、というようなイメージを持たれます。ですが、そうではありません。結果として、1期生から海外大学進学者が5人出ており、海外の大学行きたい子にとって有利なシステムであることに間違いはありませんが、本校でバカロレアをやっている理由はそれではありません。では、何なのかと言うと、探究です。探究はバカロレア教育の一番の中核になっている考え方です。つまり、主体的に動く、授業も自分で学ぶということです。これは、よく考えたら物凄く難しいことです。
国際バカロレアというのは、世界中の教育に携わっている叡智達が集まって、自分から進んで勉強していく姿勢をどうやって引き出していくか、色んなノウハウを世界の人々が蓄積しているものです。
つまり、バカロレアでやっている理由は、自分で勉強する生徒を育てたいからなのです。それに尽きます。結果として、圧倒的に学力がつきます。1期生もそれなりの実績を残しています。卒業生100数名のうち、早慶が38名、国公立22名で、20%以上現役。彼らの入学した時の偏差値は40切っていますから。
その中で、そのような結果が出ているのは、バカロレアを中心として、自分で勉強する、ということの効果が証明をされたと私は思っています。だから、バカロレアをやっているのです。
開智日本橋学園が育てたいリーダー像
四谷進学会:凄いです。非常に理念がしっかりしていらっしゃいますね。理念で言うと「平和で豊かな国際社会の実現に貢献できるリーダーを育成する」というものもありますが、その“リーダー”という定義をどのようにお考えですか?
校長先生:社会貢献する人材を育てることと、リーダーを育てることが教育理念のエッセンスになっていて、どちらにしろ、主体的に動くということが根底にあるという構造です。リーダーとは何かと言うと、この人には付いて行きたいと思ってもらえる人だと思うのです。細かいことでも良いので、リーダーシップを持った人間を目指しています。リーダーの条件として、一つ決定的に重要なことは、周りに認められているということです。自分が手を挙げて、私が今からリーダーになりますと言っても、リーダーは成立しません。
四谷進学会:はい。
校長先生:そういう人間になっていくために必要なことは人としての魅力だと個人的には思っています。器が大きい、幅が広いというような人間性が、やはり人から信頼される要素なのだと思います
そのために、どれだけ多く自分の意思で経験したかが重要だと思います。特に中高というのは、とても多感な時期なので、自分の意思でやることは大事な事です。自分からやろうと思ってやれば、絶対リターンがあります。成功や感動のプラスもリターンも、失敗や後悔のリターンも何かしら。色んな角度から、刺激を受けることで心が豊かになっていくと思っています。だから、リーダーということで、私が子供達によく言っているのが、色んなことに挑戦しろということです。色んなことに、全力でやっていくことで、心が豊かになって、結果的に幅の広い、器の大きい人間なると、私は思っています。自分で勉強する、主体的に学ぶという話が多くなるのですが、私が絶対して欲しくないのは、勉強onlyになってしまうことです。勉強だけだと、幅の広い人間にはなりません。色んなことやって、色んな引き出し持っている人は、やはり魅力的な人間になるのではないかと私は思っています。
四谷進学会:開智日本橋さんが、ここまで成長してきた理由が、何となく分かったような気がします。校長先生の魅力が、ひしひしと伝わってきました。
校長の原点
四谷進学会:これは、個人的にお聞きしたいのですが、尊敬している人物とかいらっしゃいますか?
校長先生:それは難しいですね。正確に申し上げると、いません。断片的には尊敬しているというのはありますけれど、特にこの人に没頭しているという人はいません。
四谷進学会:どうして、そこまで人格が高まったのかという点に興味があります。
校長先生:こういう場ですから、格好つけて喋らなければと。とんでもない人間です。少し真面目に言わして頂くと、私の出身高校は私立の武蔵高校です。そこが、主体性の極致みたいな教育をやっていて、先生が生徒を放ったらかしにする教育でした。今は変わっているかもしれませんが、私の時代は、三者面談は一度もなかったし、保護者会に親が行った記憶もないし、受験指導も一切なかったです。担任の先生は、私がどこの大学の入試を受けたのか、多分知りません。これはどう考えたって、いい加減過ぎると思うのですが、あそこで、自分で動くことは、面白いことであり、それと同時にやったことには、全部自分で責任を取らないと駄目だなっていうことも学びました。今、この学校でやろうとしていることのベースは、武蔵の教育です。あそこでやったことを、取り入れて、個人面談などやるべきことはちゃんと教員が関わっていくというスタイルです。私の原点は、武蔵の教育にあったというのは、多分言えていると思います。
四谷進学会:でも、武蔵に行きたいと思いました。
校長先生:今は、大分変わっているとも思うので、もうちょっと面倒見は良くなっていると思います。でも、主体性という部分は、まだ変わってないと思います。武蔵出身って、私みたいに変な奴が多いですよ。僕はここでもそうしたいです。
四谷進学会:そうですか。ありがとうございます。承知しました。すみません、個人的なお話を頂いて。
校長先生:全然良いです。
「主体性」への理解を
四谷進学会:どんな子になっていくかみたいなものもお伺いしたいと思いますやはり主体性が伸びていくのでしょうか?
校長先生:そうですね。少し後付けさせて頂くと、そういった部分に、きちんと理解して頂いている保護者の方が、来てくれると有り難いです。本当にもう失礼な言い方なので、学校の方から保護者に対して、要望するなんて気は、さらさらないのですが、そこでミスマッチが生じてしまっています。例えば「もうちょっとうちの子をちゃんと躾て下さい」というような場合です。頭ごなしに躾けるのではなく、自分で動くということを、一生懸命生徒から引き出そうとするのが本校のしつけ方です。保護者の方も、それに理解して頂いて、それに協力をして頂かないと、学校で子供達に自分で計画して、やれよと言っているのに、お母さんが作った計画表を子供にやらせたら、何をしていいか子供たちは分からなくなります。実際に、そういうことがゼロではないのです。そこが本校を選択する時の一つのポイントになると思います。
四谷進学会:そういう場合は、ちゃんと学校説明会を聞かずに、入ってしまうということなのでしょうか?
校長先生:入試の時に、私の顔を知らない方はたまにいらっしゃいます。私は結構ウロウロしているので、何となく分かると思うんですけど、私を知らないで、校長先生だったんですか?と尋ねられる方がいらっしゃいます。説明会で必ず40分ぐらい説明しているのに、聞いていないという方もいらっしゃいます。本当に説明会は頻繁にやっているので、沢山来て頂けると、本当に有り難いです。さっき言ったように、もうちょっとしっかり管理して、勉強漬けにしてやって欲しいとおっしゃる方がいても、それを私は批判する気はないです。でもそれは、そういうことをやられる学校さんが他にあるので、そちらを選ぶべきだと思います。うちはそういうじゃないと、是非お伝えしたいところです。
四谷進学会:当社にも、バカロレア教育を行っている学校に入りたいという方が結構いらっしゃいます。でも先程、先生がおっしゃったように、海外進学に力を入れていると勘違いされている方は結構多いです。
校長先生:そうですよね。海外の大学に進学したいからバカロレア、という選択をすると、失敗する可能性はあります。特に自分で勉強するってことをバカロレアでは徹底してやりますから、例えば、宿題の量や家で書くレポートの量が割と多くなります。自分で勉強して、自分でその結果をまとめるという部分では勉強は大変なものだと感じてしまうかもしれません。そういったことに向かない子は、特に大変だと思います。バカロレアをやっていなくても、海外の大学には行けるので、海外の大学に進学したいだけで、バカロレアを選択するのは、もう1回よく考えるべきだと思います。これは説明会では、必ず強調している部分です。
四谷進学会:ここまで理念がしっかりしている学校さんは、あまりないです。御校は主体性というところでは1本軸がズバッと通っていますね。やはり主体性の部分がネックになってしまう人達が、大人でも多いです。
校長先生:やはり学校教育が悪いのです。特に昔と比べて、甘えすぎてしまい過保護っぽい雰囲気を感じます。
私の時代は、子供同士が喧嘩をして、殴り合うことは当たり前でした。そこで親が出てきてしまうことは絶対になかった時代です。過保護と言うと、少し批判的な言い方ですが、子供を守ってあげようというのが、保護者も学校もすごく強くなっています。丁寧な面倒見と称して、例えば、宿泊行事の際に、必要なものを教師がリストアップして、念入りに確認しています。私は自分の物は自分で考えて、教師が手取り足取りしなくても良いと思うのです。やはり、自分で動くという場面を経験することがあまりない子が、今はものすごく多いです。そのまま社会人として社会に出ていってしまうので、これは日本の危機です。日本人が最近活躍しなくなっていることを私は危惧しているのですが。日本企業も一昔前は、世界のトップを走っていましたが、今はダメですよね。その辺がどうも教育と繋がっている気がしています。昔はそれなりに骨のある人間が多かったですし、そのような教育を受けている人がおそらく多かったです。僕は、教育が悪いと思っているので、風穴を開けたいと思っています。世界の中で、風を切って動けるような人間を一人でも多く出したいと思っています。
熱心な教師採用
四谷進学会:先生の採用の際に、何か戦略はありますか?
校長先生:採用については、ものすごく力を入れやっています。今はコロナで難しくなっていますが、日本各地の大学行って、採用の説明会みたいなものを行っています。本校で今、主力級で活躍している先生は私が大阪で拾ってきた子です。これは、開智日本橋学園だけでなく、開智グループ全体で採用活動をやっているので、沢山の方に受けに来て頂けます。残念ながら採用できない方が結構いらっしゃるので、セレクトはしています。自分で勉強する生徒を育てるという点での適性は面接の時に重視しています。あとは、東大を受けたい生徒がいるのに、自分が東大の問題を解けないのでは洒落になりませんので、学科で落ちる方が多いです。採用については、全国1位でしっかりやっていると言っても良いぐらい、本気でやっています。そうでないと、やはりこういう教育はできないです。
四谷進学会:そうですよね。採用にここまで力を入れていると、はっきりとおっしゃる学校さんはこれまでいなかったので珍しいと思います。
校長先生:今はコロナで、オンラインで行っていますが、会場に行くと学校で来ているのは本校だけでした。一般企業が第1志望だった方が話を聞いて、教育に興味を持ってくれたという場合もあります。
四谷進学会:校長先生が民間企業出身ということ自体が珍しいですね。やはり色んな視野がおありなのですね。
校長先生:自分で言うのもどうかと思うのですが、教員ははっきり言って世の中知らないです。どこかから生徒が湧いてきて、勝手に授業料を払ってくれて、自分の給料はそこから貰えるものだと勘違いしています。経済活動とは、何かをきちんとやって、その対価として報酬が貰えることです。もっと言うと、学校だったら、生徒がいないと給料なんか貰えません。生徒をしっかり集めるっていうことが大事なのです。このような視点は、彼らには全くありません。ところが、一般企業では絶対そういう感覚があるわけです。こうした世の中の常識は、教員畑1本でやってきている方々よりは、多少視野があります。実は、本校の副校長も元銀行マンです。
四谷進学会:それは、校長先生が採用されたのですが?
校長先生:銀行マンだから採用した訳ではありませんが、採用したのは私です。やはり、世の中の動きという点は、よく分かっています。常識を知らないで、生徒を教育してはいけないので。
四谷進学会:そうですよね。やはり社会を知らない人が社会を教えるというのは、とんでもないことですね。
校長先生:最近は他の仕事を経験してから、教員を志して、30歳過ぎに教員採用試験を受けにくる方も、結構増えています。私は良いと思います。最初から教員になろうと思っても、一度社会に出て、どういうものか見て、勉強してから教員になった方が自分のためだと思います。
四谷進学会:私の尊敬している先生にも、初めから最後まで教員だと社会知らないから、やっぱり1回社会に出てみて、また教員をやる方がいらっしゃいます。
校長先生:それは、私は大賛成です。
開智日本橋学園の5年後
四谷進学会:最後に一つ、今後、開智日本橋さんがなっていきたい姿や5年後どうなっていたいか、お伺いしてもよろしいですか?
校長先生:正直に申し上げますと、5年後のゴールがどこかと言うのは、見ていないです。私も、かなり年齢を重ねているので、どこかでバトンタッチする世代に、そろそろ入っています。だから、ここで私がやろうとしたことが完成したと思える瞬間は、おそらくないのだと思います。毎年やっていることに、必ず課題があります。色んなことやろうとしていて、それが全て上手くいくことがないです。去年はこういう失敗があったから、今年は、この点改善していこうというのは、毎年必ず思いますし、4月1日に必ず教員みんなに言うようにしています。だから、ちょっとずつ改善していった結果が5年後になっているのだと思います。それが正直な答えです。
四谷進学会:もうやりたいことが決まっていらっしゃいますもんね。
校長先生:何となくは見えている状態で、具体的にとなると、難しい部分があることは、お分かりだと思います。具体性という点についてはやはり未熟な部分はあるので、そこを改善していくので精一杯です。今より5年後に悪くなっている訳はないことだけは、信じています。
四谷進学会:なるほど。ありがとうございます。







